彼女とマレーシア旅行<

彼女とマレーシア旅行

今回はスイングダンスを始めたことで大きく変わったことの1つとして海外旅行の話をしたいと思います。 海外旅行は海外の人や文化とのふれあいがあって大変楽しいものですが、冷静に行動を分析してみると「食べる」か「見る」かしかしていないことはありませんか? 現地で何食べる? どこ行く? 海外に限らず観光旅行とはこれに尽きると個人的には思っていました。スイングダンスを始めるまでは。

国際的なイベントに参加するために海外旅行

スイングダンスを趣味として始めてからしばらく経って、ダンス仲間と仲良くなり、ダンスで出会った彼女とお付き合いすることになり、もうすっかりメンバーの一員として定着しつつあったころ、色んな人と話してて結構みんな「ダンスイベントのために海外に行く」という経験があることに気づきました。それに加えて、海外の大きなイベントのアナウンスもちらほら入ってくるように。 正直に言うと「スイングダンスは面白いけど、さすがにそのために海外までは行かないかなー」なんて思ってました。でもマレーシアのペナン島で開催される大きなイベントがちょうど夏休みの期間で、彼女から「海外旅行として行ってみない?」と言われた時に、「あ、海外旅行の一行程としてのイベント参加はアリだなー」と思い、行くことにしました。幸い大阪のダンスメンバーも何人か別ルートで行くということを知り、少なくとも会場でぼっちにはならなくて済みそうだと安心したのもあります。 彼女はとても旅慣れているので、飛行機や宿の予約をさっとしてくれて自分はほぼ付いていくだけでしたが、出発時は完全に単なる海外旅行気分でした。ダンスイベントのために海外に旅立つなんて感覚はこれっぽっちもありません。 何して遊ぼう? 何食べよう? 自分はあまり海外に出るという経験が少なかったのもあってか、そんなワクワクしかなかったことを覚えています。

ペナン島観光、そしてダンスイベントへ

ペナン島の魅力というか、観光地としての面白さをお伝えすると、自分たちはジョージタウンというペナン島の中の都市部に滞在したんですが、いわゆる東南アジアの昔と今がごちゃまぜになったようなカオスな感じがすごく魅力的で、どの道を歩いても画になるような感じでした。お店もおしゃれな店から珍妙奇天烈なものを売ってる店までいろいろで、観光地なんだけど地元感も漂う不思議な雰囲気があります。自分たちも観光スポットとして有名なところを回り、ミーゴレン・ナシゴレンなんか食べたりしてとても満喫しました。 で、夕方にダンスイベントへ。 最初は慣れない場所と慣れない人たちで不安でしたが、冒頭のレッスンでそんな不安はすぐに無くなります。レッスンの進行は大体いつもと同じで、先生がレクチャーして、「さあやってみましょう」と言われてやるような感じも普段のレッスンと変わらず、ペアになれば初対面でも特に問題ないといったところも普段と変わらなかったです。というかむしろそれがきっかけで話しかけたり話しかけられたりして「どこから来たの?」「日本の大阪からだよ」「えー!そうなんだ!」的な会話が繰り広げられ、普段と同じような感じで仲良くなったりします。 その中でも驚いたのが「えっ、大阪から来たの?じゃあMariko(日本スイングダンス協会理事の岡本真理子さんのこと)知ってる?」みたいな反応が、国籍関係なく色んな人から返ってきて、真理子さんの世界での存在感すげぇってなりました。そんな方に毎週教えてもらったり一緒に踊ってもらったりしてます。すごい。 その後大阪のメンバーとも合流して一緒にダンスイベントを楽しみました。ダンス一つできるだけで、ここまで楽しい時間が過ごせるのかというぐらい楽しかったです。このイベントは国際的なものだったので、マレーシアの地元の人たちはもちろん、他の国々からもたくさんの人が集まっていて、踊ったり喋ったりする度に「ああ、スイングダンスやってなかったらこの人たちとは一生出会わなかったし、存在すら知らなかっただろうけど、スイングダンスがこうやって世界中の人々を自分に引き合わせてくれている」なんて思ったりして勝手に感動していました。

2日目もダンスイベントへ

むしろ2日目がメインという位置づけだったんですが。 昼はジョージタウンの中にある、観光スポットになっている寺院(名前忘れた)でみんなでShim Shamを踊るという、ただの海外旅行では絶対できないことをし、夜は大きなホテルのボールルーム(社交ダンス用の部屋)でみんなおしゃれしてダンスを楽しむという、なかなかに未知の世界を体験しました。 特に夜の部は、格式のありそうな大きなフロアでオーストラリアから来たというバンドの生演奏をバックに踊るという、普通の人生を過ごしていたら絶対起こり得ないシチュエーションの、まさにその中に自分がいるということに妙に感動しました。 色んな国から来た人たちが同じ空間に居て、基本的には英語しか通じないけど一緒に踊れば笑顔になれる。まさに外国といったおしゃれな雰囲気のなか、ジャズに合わせてダンスする。ちょいちょい喋って「今日は何してたの?」「えーそうなんだ!」みたいな会話を交わす。 今振り返っても、人生の中で最高の旅行の一つです。

その後のダンスのモチベーションにも

結果としてものすごく楽しんだけど、周りを見ているとやっぱり上手な人がたくさんいて、自分ももっと上手にかっこよく踊れたらもっともっと楽しいんだろうなと思う場面もたくさんありました。というかその時は始めてからまだ1年も経っていなかったので自分のダンスはまだまだ全然で、一緒に踊ってもらうのにどこか恥ずかしさもありました。さらに、周りの人たちはやっぱり国際イベントに来るような人たちなので技術に自信があり、見てるととてもかっこいい人たちばっかりです。 でもその時「自分なんかが出しゃばる場ではない」とか「やっぱりこんなの自分には合ってない」なんて思わなかったのは、
  • 一緒に踊ってくれた人がみんな楽しそうだった
  • 自分も無茶苦茶楽しかった
に尽きます。 「誰と踊ってもみんな受け入れてくれる。でももっと上手に踊れるようになったらもっとみんな楽しんでくれるはず。よし、もっと頑張ろう。」 「こんな実力でこんなにも楽しいんだったら、もっと練習してもっと上手になってもっとかっこよくきれいに踊れるようになったらどれだけ楽しいんだろうか。よし、もっと頑張ろう。」 そんな風に思うようになりました。

英語学習のモチベーションにも影響

このイベントはダンスだけじゃなく英語学習にも影響を与えました。 英語を勉強している人の中には「海外旅行に行ったときに現地の人と喋れるようになりたい」という理由で勉強している人もいるかと思いますが、実際にどれだけ喋るでしょうか。 いや、やる気を削ぐつもりは無いんですけど、次の回でも書きますがたとえ留学したとしても現実的には現地の人と気軽に喋るレベルまで仲良くなるのはなかなか難しいんです。英語力の問題もありますが、一番大きいのは接点。きっかけが無いんですよね。 実際我々日本人にとっても、外国人観光客や留学生とどれだけの接点を持つでしょうか。正直なかなか無いですよね。それは逆も然りで、海外の人たちにとっても喋りかける理由がありません。言葉が通じる日本人同士でも、じゃあ旅行に行ったら現地の人と喋るかと言ったらそこまで喋らないですよね。 それが、ダンスをすると、その壁は簡単に越えられます。 むしろ英語力の前にまず接点ができてしまって、それまで勉強してきた英語を使うのはもちろん「英語で何て言うんだろ、やべー」みたいなことが起こります。もっと伝えたいことがあるのに、全然英語力が足りない。もっともっと英語力を伸ばそうと本気で思いました。 スイングダンスを続ける限り、英語学習の目的を見失うということは絶対に起こりません。

まとめ

スイングダンスをやっていると、海外旅行の楽しみ方が劇的に変わります。ダンスのための旅行をしないといけない、なんて思わなくて良くて、ちょうどいいときにダンスイベントが開かれていたら海外旅行の行程の中の一つとして組み込めばいいだけです。 それにそんな大きなイベントが開かれていなくても、スイングダンスのコミュニティがあれば毎週どこかでパーティーを開いているはず。事前に調べて、曜日だけ合わせればいつでも飛び込めます。 もしスイングダンスをやっていなかったら、おそらく海外に興味を持つことはなかっただろうし、ましてやこんな楽しみ方があるなんて夢にも思わなかっただろうし、実際こんな楽しみ方はできなかったと思います。 もうこの辺から人生変わり始めていました。