日本スイングダンス協会の目指すもの

日本スイングダンス協会の目指すもの

日本では第二次世界大戦後、スイングダンスが米軍などから伝えられ、「ジルバ」と呼ばれるダンスとして流行したことがありました。昭和20年代、全国に3000ヶ所ものジルバダンスホールがあったと言われるほどです。そこでは若い男女が戦後の暗い世相を吹き飛ばすかのように、毎日ダンスを楽しんでいました。

「日本人は踊らない」? そんなことはありません!

1955年に20歳だったかたは今は80代。今でもその世代のかたとお話しすると、「毎日踊ってたよ」と言われ目を輝かせることが少なくありません。
「日本人は照れ屋で引っ込み思案。ダンスに誘われても踊らない」と言われることがありますが、ジルバの時代を見ればその俗説が間違っていることがはっきりとわかります。

1920年代にアメリカで生まれたスイングダンスは今や世界に広がっています。権威ある最大級のイベントがスウェーデンで開かれていたり、当協会の理事長をつとめる左官もえは普段はロンドンを中心にダンサーとして活動しています。また欧米だけでなく、近年は中国、韓国、シンガポール、台湾、香港など、アジア各地でも盛んにおこなわれています。

日本はスイングの素地ができています

日本でも改めてスイングダンスのムーブメントが起こっています。他のアジアの国よりもスイングジャズの演奏家ははるかに多く、スイングに親しむもともとの素地は強いものがあります。
全国には町おこしの一環といった形で、ジャズフェスティバルがおこなわれています。そこにスイングダンスが取り入れられることもあり、楽しいダンスを目にした、体験レッスンを受けたという人は次第に広がっています。

全国にはすでにスイングダンスのオーガナイザー(イベントやレッスンを主宰する人)がおり、毎週多くのイベントが行われています。

日本スイングダンス協会では現状の参加者数などを調査するとともに、普及のために活動しています。

ダンスできる場所を広げます

ジャズフェスティバルなどでスイングダンスの体験をした、と言っても、そのあとで踊りに行く場所がなければ日常的にスイングダンスを楽しむことはできません。日本スイングダンス協会は全国のダンススクールやジャズハウスなどに働きかけて、スイングダンスを楽しむ場を広げる活動を行っています。

ダンススタジオはもちろん、踊れるスペースのあるジャズバー、集客イベントを探しているレストランや施設などからのご連絡をお待ちしております。また、スイングジャズの演奏者のみなさまは、ぜひご自身の演奏会にダンスを取り入れることをご検討ください。

もちろん、日本スイングダンス協会は自らもダンススタジオを東京、大阪などでつくり、運営することで、スイングダンスの楽しさを発信していく拠点とすることも考えています。

カリキュラムを整備し、指導者を育成します

スイングダンスは自由な踊りですが、ただ飛び跳ねていれば良いというものではありません。基本のステップや「スイングすること」を身につけ、さまざまな技を習得していけば、より楽しく踊ることができます。

日本スイングダンス協会では、上達のためのカリキュラムを体験→初級→中級→上級と整備していき、全国に正しくスイングダンスを広めることのできる指導者を増やしていくことを目指しています。

スイングダンスは世界がとても近くにあるアクティビティ分野です。今の日本でもイベント参加者の3分の1ぐらいが外国のかたということもあるほど、国際交流の盛んな分野です。近くの国では韓国や台湾、もちろんアメリカやイギリスなどの大きなイベントに踊り手として参加できるチャンスがすぐそこにあります。上達すれば、海外の大きなダンスコンテストに参加するダンサーとなれることは間違いありません。

2020年には東京オリンピック・パラリンピックが開催され、全世界の人たちが日本に訪れます。そのときには多くのスイングダンスイベントが行われて多くの来日者がダンスも楽しんで日本との交流をより深めることができる。私たちはそんな夢を持っています。

スイングダンスで健康で快適な暮らしを!

スイングダンスは基本のステップだけなら30分もあれば覚えることができる「入門しやすさ」も特長のひとつ。あとは明るく前向きな気持ちにしてくれるスイングジャズの音楽に乗って楽しむことができます。年齢や体力に応じて、自分で負荷を調節して楽しむことができる、生涯スポーツとして最適な運動の一種と考えられます。

また、スイングダンスはペアが基本。フロアでお相手を見つけて誘い、手を触れあって踊ります。流れるのは心地よい音楽。自然と笑みがこぼれます。こうしたコミュニケーションツールとしても、スイングダンスは適しています。一度いっしょに踊ったかたとはあとの会話もスムース。ペアチェンジをするたびに会話の輪が広がっていきます。

こうした特性から、スイングダンスは町おこしの一環としてもとらえられるようになり、全国のジャズフェスティバルなどを中心にスイングダンスが取り入れられることも増えてきました。

誰もが参加でき、笑いあい、相手とのコミュニーケーションを楽しむことができる適度な運動であるスイングダンス。私たちはスイングダンスが日本のすべての町を明るく発展させるのに役立つものと考えています。日本スイングダンス協会はさまざまな自治体やコミュニティと手をたずさえて、地域活性化の一助となるための活動を行ってまいります。

※ ジルバとは、ジッターバグ(Jitterbug)というスイングダンスの一種が日本流になまったものとされます。ジッターバグとは「体をよじらせる虫」のこと。釣りをされるかたはルアーの一種の名前としてご存知かもしれません。体をよじるように軽快に踊るのがまるでジッターバグのようだ、というのが語源のようです。スティーブン・スピルバーグ監督の映画『1941』にはまさに1941年の開戦前夜、カリフォルニアでジルバコンテストが開催されるというシーンがあり、激しいダンスが繰り広げられるのはおなじみですね。